不動産投資の管理を楽にしたいけれど、「サブリースは危険」「儲からない」といった話を聞いて不安になっていませんか?
確かに、サブリース契約にはメリットだけでなく、注意すべきデメリットやリスクも存在します。
この記事では、サブリースの仕組みといった基本から、「契約で失敗しないための具体的なチェックポイント」や「優良な会社の選び方」まで、徹底解説します。
状況でサブリースを選ぶべきか、選ぶならどうすれば良いかが理解できる内容になっているので、ぜひ最後までお付き合いください。
- サブリースの基本的な仕組みと管理委託との違い
- サブリース契約がもたらす具体的なメリット3つ
- 契約前に知るべき5つのデメリットとリスク対策
- 失敗しないサブリース会社の選び方と契約書のチェックリスト
- サブリース新法によるオーナー保護の内容と限界
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不動産サブリースとは?基本的な仕組み
サブリースを検討する前に、まずはその基本的な仕組みと「管理委託」との違いを正確に理解しておくことが不可欠です。
監修者:株式会社GOLD・KEI編集部「又貸し」の仕組みを理解するのが第一歩。
契約相手が誰で、誰がリスクを負うのかが最大の違いです。
サブリース(一括借り上げ)の仕組み
サブリースとは、不動産会社(サブリース会社)がオーナーから物件を「一括で借り上げ」、その物件を第三者である入居者に「転貸(又貸し)」する仕組みです。


この関係は、2つの契約で成り立っています。
一つは、オーナーとサブリース会社が結ぶ「マスターリース契約(一括借り上げ契約)」です。
そしてもう一つが、サブリース会社と入居者が結ぶ「サブリース契約(転貸借契約)」となります。
オーナーにとっての契約相手はあくまで「サブリース会社」であり、入居者と直接の賃貸借契約を結ぶことはありません。
この仕組みにより、オーナーは空室の有無にかかわらず、サブリース会社から毎月一定の「保証賃料」を受け取ることができるのです。
「管理委託」との決定的な違いについて
サブリースとよく比較されるのが「管理委託」という方式です。
両者は似ているようで、契約形態やリスクの所在が全く異なります。
その決定的な違いは、オーナーと不動産会社の契約が「賃貸借契約」なのか「委任契約」なのかという点にあります。
以下の表で、両者の違いを整理してみましょう。
| 項目 | サブリース | 管理委託 |
|---|---|---|
| 契約形態 | 賃貸借契約 | 委任契約 |
| 家賃保証 | あり | なし |
| 空室リスクの所在 | サブリース会社 | オーナー |
| 手数料の考え方 | 保証料(相場の10〜20%) | 管理委託料(相場の5%前後) |
サブリースは、会社が「借主」としてリスクを取る代わりに、手数料(保証料)が高めに設定されています。
一方、管理委託はあくまで管理業務の「代行」であり、空室リスクはオーナーが負うため、手数料は比較的安価です。
どちらが良いという話ではなく、オーナー自身がどこまでのリスクを許容し、何を重視するかで選択すべきものと言えるでしょう。
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不動産投資の基本的な費用感については、以下の記事も参考にしてください。


サブリース契約がもたらす3つのメリット
サブリース契約には、デメリットが注目されがちですが、オーナーにとって大きなメリットがあるのも事実です。



「手間」と「リスク」を軽減できるのが最大の魅力。
特に多忙な方や初心者オーナーには大きなメリットとなります。
空室や家賃滞納のリスクがなくなり収入が安定する
サブリースの最大のメリットは、何と言っても「収入の安定化」でしょう。
通常の賃貸経営では、空室が発生すればその期間の家賃収入はゼロになります。
また、入居者が家賃を滞納すれば、督促の手間や法的な手続きが必要になることも。
サブリース契約では、たとえ物件が空室でも、入居者が家賃を滞納しても、オーナーはサブリース会社から毎月約束された保証賃料を受け取れます。


これにより、突発的な収入減のリスクを回避し、ローン返済や将来の資金計画を非常に立てやすくなるのです。
ただし、この「保証される賃料」は未来永劫固定ではない点には、注意が必要です。
煩雑な賃貸管理業務から解放される
賃貸経営には、実に多くの「管理業務」が付随します。
例えば、入居者募集のための広告活動、内見の対応、申込者の審査、契約手続き、毎月の家賃集金、クレームやトラブルへの対応、退去時の立ち会いと精算、原状回復工事の手配など、その業務は多岐にわたります。
サブリースを利用すれば、これらの煩雑な業務のほぼ全てをサブリース会社に一任できます。
本業が忙しい会社員の方や、物件から遠い場所に住んでいるオーナーにとって、この「手間の削減効果」は計り知れないメリットと言えます。
確定申告の手続きが簡素化される
意外と見過ごされがちなメリットが、「確定申告の簡素化」です。
通常、アパート一棟など複数の部屋を所有している場合、各入居者からの入金を個別に管理し、経費を計上する必要があります。
入居者の入れ替わりがあれば、その都度帳簿の記載も煩雑になるでしょう。
サブリースの場合、収入の入金元は「サブリース会社1社」に集約されます。
そのため、年間の収入額の把握が非常に容易になり、会計処理の手間が大幅に削減されるのです。
これは、複数の物件を所有する専業大家さんにとっても大きな魅力の一つです。
サブリースは危険?契約前に知るべき5つのデメリット
メリットがある一方で、サブリースには「危険」と言われる所以となる、いくつかの重要なデメリットが存在します。



「保証」という言葉の裏にあるリスクを直視すること。
契約前にデメリットを理解し、許容できるか判断するのが重要です。
① 家賃収入は相場より低くなる
サブリース会社が空室リスクを負う以上、その対価として手数料(保証料)が発生します。
一般的に、オーナーが受け取る保証賃料は、相場家賃の80%〜90%程度に設定されるのが通例です。
例えば、家賃10万円が相場の物件の場合、手取りは8万円から9万円になります。
これを管理委託(手数料5%と仮定)と比較すると、手残りの差は明確です。
| 項目 | サブリース(保証率90%) | 管理委託(手数料5%) |
|---|---|---|
| 満室時の手取り(月額) | 90,000円 | 95,000円 |
| 1部屋空室時の手取り(月額) | 90,000円 | 0円 |
満室経営が続けば管理委託の方が収益性は高くなりますが、空室リスクをヘッジできるのがサブリースの特徴。
この差額を「安心料」として許容できるかどうかが、一つの判断基準となります。
② 保証される家賃が将来減額される可能性がある
最も注意すべき最大のリスクです。
多くのサブリース契約書には、「経済状況の変動」や「近隣相場の変動」などを理由に、定期的に保証賃料を見直す条項が含まれています。
これは、借地借家法第32条で定められた「借賃増減請求権」に基づくもので、サブリース会社(借主)からオーナー(貸主)への賃料減額請求は法的に認められている権利です。
「30年一括借り上げ」といった広告を鵜呑みにして、30年間同じ家賃が保証されると誤解してはいけません。
2年ごとに賃料が見直される契約が一般的であり、将来的に収入が減少する可能性があることを必ず認識しておく必要があります。
参照元:e-Gov法令検索|借地借家法 第32条(借賃増減請求権)
③ オーナーからの解約が難しい場合がある
サブリース契約は「賃貸借契約」であるため、サブリース会社は借地借家法によって「借主」として手厚く保護されます。
そのため、オーナー側の都合で「収益性が悪いから解約したい」「もっと良い条件の会社に乗り換えたい」と思っても、簡単には解約できません。


オーナー側から契約を解除するには、立ち退き料の支払いが必要になったり、「正当事由」が求められたりすることがほとんどです。
この「正当事由」のハードルは非常に高く、オーナーがその建物を使用しなければならない切実な事情などがなければ、まず認められることはありません。
一度契約すると長期間にわたって縛られる可能性がある、という点は大きなデメリットです。
④入居者の選定に関与できない
物件をサブリース会社に貸し出しているため、実際に入居する人を誰にするかの決定権はサブリース会社にあります。
オーナーが「学生限定にしたい」「法人契約を優先したい」といった希望を持っていても、その意向が反映されるとは限りません。
入居者の質は、物件の住環境や資産価値にも影響を与える重要な要素です。
どのような人が住むのかをオーナー自身がコントロールできない点は、物件へのこだわりが強い方にとっては大きなストレスとなり得ます。
⑤サブリース会社の倒産リスク
万が一、契約しているサブリース会社が倒産してしまった場合、家賃保証は当然ながらストップします。
それだけではありません。
入居者との契約関係が複雑になり、オーナーが直接の貸主として契約を巻き直す必要が出てきます。
さらに、サブリース会社が入居者から預かっていた敷金が返還されず、その負担をオーナーが負わなければならなくなるなど、金銭的・手続き的に大きな混乱が生じるリスクがあります。
だからこそ、契約する会社の経営体力や安定性は、極めて重要なチェックポイントです。
失敗しないサブリース会社の選び方と契約書のポイント
サブリースの成否は、パートナーとなる「会社選び」と「契約内容の精査」にかかっていると言っても過言ではありません。



「契約書は専門用語が多くて…」と諦めないこと。
自分の資産を守るため、弁護士など専門家の力も借りて必ず精査しましょう。
優良なサブリース会社を見極める5つの基準
目先の保証賃料の高さだけで会社を選ぶのは危険です。
長期的なパートナーとして信頼できる会社か、以下の5つの基準で総合的に判断しましょう。
- ①経営の安定性上場しているか、長年の実績があるかなど、会社の財務状況や経営基盤の安定性は最重要項目。倒産リスクを避けるための基本です。
- ②豊富な管理実績管理戸数の多さや、対象エリアにおける入居率の高さを公表しているかは、その会社の実力を示す客観的な指標となります。
- ③賃料査定の妥当性必ず複数の会社から相見積もりを取得し、査定額の根拠を確認しましょう。相場より著しく高い保証賃料を提示する会社は、将来的な大幅減額のリスクがあるため要注意です。
- ④担当者の専門知識と対応力質問に対して的確に答えられるか、リスクについてもしっかりと説明してくれるかなど、担当者の質も重要な判断材料。誠実な対応をしてくれる会社を選びましょう。
- ⑤オーナーからの評判・口コミインターネット上の情報だけでなく、可能であれば実際にその会社を利用しているオーナーの声を聞いてみるのも有効な手段です。
契約前に必ず確認すべき契約書の7項目
契約書にサインする前に、以下の7項目は最低限、自分の目で確認し、不明点は必ず質問してください。
ここを見逃すと、後々「こんなはずではなかった」という事態に陥りかねません。
- 保証賃料と改定条件何年ごとに賃料の見直しが行われるのか。改定の際の算出根拠は何か。下落の上限・下限はあるのか。
- 免責期間の有無と長さ契約開始後や入居者退去後、一定期間家賃が保証されない「免責期間」が設定されていないか。ある場合はその期間はどのくらいか。
- 契約期間と更新条件契約期間は何年か。自動更新なのか、更新料は発生するのか。
- 修繕費用の負担区分エアコンや給湯器など、経年劣化による設備交換費用はオーナーと会社のどちらが負担するのか。負担割合が明確に記されているか。
- 原状回復費用の負担区分入居者退去時のクリーニングや補修費用について、オーナー側の負担範囲はどこまでか。
- 解約条件(オーナー側・会社側双方)オーナーから中途解約する場合の条件(予告期間、違約金など)はどうか。逆に、会社側からはどのような条件で解約できることになっているか。
- 広告宣伝費の負担入居者募集にかかる広告費(AD)などを、後からオーナーに請求されることはないか。
これらの項目は、あなたの手取り収入と将来のリスクに直結する非常に重要なポイントです。
「サブリース新法」(2020年施行)でオーナーの保護は強化されたの?
過去にサブリースを巡るトラブルが多発したことを受け、オーナーを保護するための法律が整備されました。



法律は「最低限のルール」を定めたもの。
自分の身を守る最終的な責任は、オーナー自身にあることを忘れないでください。
サブリース新法の目的と主な内容
2020年12月15日に施行された「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」、通称「サブリース新法」は、不適切な勧誘や説明不足によるオーナートラブルを防ぐことを目的としています。
この法律のポイントは、主に以下の3点です。
- 誇大広告の禁止「家賃収入を将来にわたって保証」など、オーナーに誤解を与えるような広告表現が禁止されました。
- 不当な勧誘の禁止契約を締結しない意思を示した相手への再勧誘や、事実と異なることを告げての勧誘などが禁止されました。
- 契約前の重要事項説明の義務化サブリース会社は、契約前に必ず書面を交付し、家賃の減額リスクや解約条件といったオーナーにとって不利益となり得る情報を説明することが義務付けられました。
2026年現在、この法律の遵守はサブリース事業者にとって当然の責務となっています。
参照元:国土交通省|賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律について|e-Gov法令検索|賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律
新法施行後もオーナー自身が注意すべきこと
サブリース新法によって、オーナーが契約内容を理解しないまま契約してしまうリスクは大幅に減少しました。
しかし、この法律は全てのトラブルを防ぐ万能薬ではないことを理解しておく必要があります。
法律はあくまで、家賃減額リスクなどの「情報を事前に提供すること」を義務付けたに過ぎません。
説明を受けた上で、そのリスクを許容して契約するかどうかの最終的な判断は、オーナー自身に委ねられています。
「法律があるから安心」と考えるのではなく、重要事項説明の内容を鵜呑みにせず、自ら契約書を読み解き、納得できない点があれば安易に契約しない姿勢が、2026年以降も変わらず重要です。
サブリースが向いている人と向いていない人の特徴
結局のところ、サブリースは万能な解決策ではなく、オーナーの状況や考え方によって向き不向きがはっきりと分かれるサービスです。



「自分はどのタイプか?」を客観的に見極めること。
不動産投資に何を求めるかで、最適な管理方法は変わってきます。
サブリース利用をおすすめする人の特徴
以下のような特徴に当てはまる方は、サブリース契約のメリットを最大限に享受できる可能性が高いでしょう。
賃貸経営の知識が少ない初心者の方何から手をつけて良いかわからない最初のステップとして、プロに丸ごと任せられる安心感は大きいです。
管理に時間を割けない多忙な方本業に集中したい会社員や経営者の方にとって、手間のかからないサブリースは非常に合理的な選択肢となります。
遠隔地に物件を所有している方物理的に自主管理が難しく、頻繁に現地へ行けない方には、地域に精通した会社に任せるメリットは絶大です。
とにかく安定した収入を最優先したい方収益性の最大化よりも、毎月のキャッシュフローの安定を重視する「守りの投資」をしたい方に向いています。
管理委託など他の方法を検討すべき人の特徴
一方で、以下のような考えを持つ方は、サブリース以外の方法、例えば「管理委託」などを検討した方が満足度の高い経営ができるかもしれません。
少しでも収益性を高めたい方手数料を抑え、空室対策などを自分で行うことで、手取り収入を最大化したいと考える積極的な投資家の方。
自身の采配で物件を運営したい方入居者の選定やリフォームの仕様など、自分のこだわりを反映させた賃貸経営をしたい方には、自由度の低いサブリースは不向きです。
築年数が古く、リスクが高い物件のオーナー将来的に大幅な賃料下落や大規模修繕が予想される物件は、サブリース会社から契約を敬遠されたり、非常に低い保証賃料を提示されたりする可能性があります。
2026年時点での物件価値をシビアに見る必要があります。
サブリースに頼らない不動産投資の方法についても、ぜひ参考にしてみてください。




サブリース契約の判断に迷ったら専門家への相談を
ここまで見てきたように、サブリースは「絶対的な善悪」で語れるものではありません。



最終判断は「自分自身で納得できるか」がすべて。
専門家の意見も参考に、後悔のない選択をしてください。
空室リスクや管理の手間から解放されるという大きなメリットと、収益性の低下や契約の縛りといったデメリットを併せ持つ、あくまで「賃貸経営の一つの選択肢」です。
あなたの資産状況、投資目標、そして賃貸経営にどれだけ時間と労力をかけられるかを総合的に考え、最適な方法を選ぶ必要があります。
もし、自分一人で契約内容を判断することに不安を感じたり、提示された条件が妥当なのか分からなかったりする場合は、決して一人で悩まないでください。
サブリース会社とは利害関係のない、第三者の不動産コンサルタントや弁護士といった専門家に相談することも有効な手段です。
安易な判断で大切な資産をリスクに晒すことなく、全ての条件に納得した上で契約を結ぶことこそが、成功する不動産投資の第一歩となるでしょう。
不動産投資の出口戦略や他の投資方法との比較も検討してみましょう。




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