「少額から不動産オーナーになれる」という魅力から、近年注目を集めている「空き家投資」。
しかし、「本当に儲かるの?」「高額なリフォーム費用がかかりそうで怖い…」といった不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
確かに、空き家投資には特有のリスクが存在し、知識なく始めると大きな損失につながる可能性も否定できません。
重要なのは、夢物語の成功体験だけでなく、現実的な収支計画と潜むリスクを正確に理解することです。
本記事では、空き家投資のはじめ方を丁寧に解説していくので最後までお付き合いください。
- 空き家投資の3つの収益モデルと他の不動産投資との違い
- 物件価格300万円のリアルな収支シミュレーション
- 空き家投資のメリットと、知らないと損するデメリットへの具体的な対策
- 失敗しないための物件探しから管理までの5ステップ
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空き家投資とは? 3つの収益モデルと新築投資との違い
空き家投資とは、その名の通り、居住者がいない「空き家」を購入し、収益化を目指す不動産投資手法です。
全国的に増加する空き家問題という社会背景もあり、比較的安価に物件を取得できることから、投資の入口として注目されています。
主な収益モデルは3つ。
それぞれの特徴を理解し、自分の投資スタイルに合った戦略を立てることが成功の第一歩です。
監修者:株式会社GOLD・KEI編集部「どの収益モデルを選ぶか」で物件選びの基準も変わります。
最初に「出口戦略」までイメージしておくことが重要です。


①賃貸で家賃収入を得る(インカムゲイン)
最もオーソドックスなモデルが、購入した空き家をリフォームし、賃貸物件として貸し出すことで継続的な「家賃収入(インカムゲイン)」を得る方法です。


一度入居者が決まれば、空室にならない限り毎月安定したキャッシュフローが生まれます。
特に、ファミリー層からの「戸建て賃貸」の需要は根強く、マンションやアパートにはない「庭付き」や「駐車場付き」といった点で差別化が可能。
長期的に安定した収益基盤を築きたい方に向いているモデルと言えるでしょう。
②リフォーム後に売却して利益を得る(キャピタルゲイン)
市場価格より安く仕入れた空き家に対し、リフォームやリノベーションで「付加価値」を高め、短期間で売却して利益(キャピタルゲイン)を狙う手法です。


不動産市場の動向を読み解く力や、リフォームで物件価値を最大化するセンスが求められます。
成功すれば大きな利益を一度に得られる一方、売却できなければ物件が「塩漬け」になるリスクも。
短期的な利益を追求する投資家向けの、やや専門性が高いモデルです。
③民泊や店舗として活用する
物件の立地や特性を活かし、賃貸や売却以外の方法で収益化するモデルも存在します。
例えば、観光地の近くであれば「民泊施設」として運用したり、古民家の趣を活かして「カフェ」や「シェアスペース」として貸し出したりする方法です。
独自のアイデアで高い収益性を実現できる可能性がある一方、旅館業法や建築基準法などの法規制が関わるため、専門的な知識や許認可の取得が必要になるケースが少なくありません。


新築・中古マンション投資との違い
空き家投資(主に戸建て)は、一般的な新築・中古マンション投資とどう違うのでしょうか。
それぞれの特徴を比較してみましょう。
| 比較項目 | 空き家(戸建て)投資 | 新築マンション投資 | 中古マンション投資 |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 安い(数百万円〜) | 高い(数千万円〜) | 中程度(1,000万円台〜) |
| 期待利回り | 高い傾向 | 低い傾向 | 中程度 |
| 運営の自由度 | 高い(DIYや増改築も可能) | 低い(管理規約の制約あり) | 低い(管理規約の制約あり) |
| 融資の受けやすさ | 受けにくい傾向 | 受けやすい | 物件による |
| 修繕リスク | 高い(突発的な費用) | 低い(当面は不要) | 中程度(修繕積立金あり) |
| 資産価値 | 土地の価値が残る | 建物の下落スピードが速い | 比較的安定 |
空き家投資は「低コスト・高利回り」の可能性がある一方、「融資」と「修繕」が大きなハードルになることがわかります。
これらのリスクをどうコントロールするかが成功の鍵です。
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空き家投資は本当に儲かる?初期費用と利回りシミュレーション
「高利回り」という言葉に惹かれるものの、実際のところ手元にいくら残るのか、具体的なイメージが湧かない方も多いはず。
ここでは、地方都市の築古戸建てを例に、リアルな収支シミュレーションを見ていきます。



「数字」こそが不動産投資の共通言語。
感覚ではなく、データに基づいた判断が失敗を避ける唯一の方法です。
事例で解説|物件価格300万円の戸建て投資モデル
地方都市で「物件価格300万円」の木造戸建てを購入し、賃貸運用するケースを想定しました。
現実的な運用を想定し、空室率10%と年間10万円の突発修繕費を織り込んでいます。
| 年間収支(満室想定家賃:月7万円) | |
|---|---|
| 物件価格 | 3,000,000円 |
| リフォーム費用 | 2,000,000円 |
| 諸経費(仲介手数料、登記費用など) | 500,000円 |
| 初期投資合計 | 5,500,000円 |
| 年間家賃収入(7万円×12ヶ月) | 840,000円 |
| 空室損失(10%) | -84,000円 |
| 実質年間収入 | 756,000円 |
| 固定資産税・都市計画税 | -50,000円 |
| 管理委託費(家賃の5%) | -42,000円 |
| 火災保険料(年額) | -10,000円 |
| 突発修繕費積立 | -100,000円 |
| 税引前年間キャッシュフロー | 554,000円 |
このシミュレーションでは、年間で約55万円のキャッシュフローが手元に残る計算です。
ローンを利用しない(現金購入)場合、この金額がそのまま利益となります。
投資額550万円に対してこのリターンは、非常に魅力的と言えるでしょう。
参照元:総務省|固定資産税の概要
空き家投資に必要な初期費用の内訳と目安
シミュレーションでも触れた通り、不動産投資では物件価格以外にも様々な「諸経費」が発生します。
資金計画で漏れが生じないよう、主な項目を把握しておきましょう。
- 仲介手数料は(物件価格 × 3% + 6万円)+ 消費税 が上限(ただし800万円以下の低廉な空き家等は売主・買主ともに上限33万円(税込)の特例あり ※2024年7月改正)
- 登記費用は所有権移転登記や抵当権設定登記にかかる登録免許税と司法書士報酬
- 不動産取得税は購入後に一度だけ課税される税金
- 印紙税は売買契約書に貼付する印紙代
- 火災保険料・地震保険料は万一の事態に備えるための保険
- リフォーム費用は物件の状態により大きく変動(100万〜500万円以上)
これらの諸経費は、物件価格のおおよそ7%〜10%程度が目安。
リフォーム費用は別途、物件の状態に応じて数十万〜数百万円単位で見ておく必要があります。
参照元:国土交通省|宅地建物取引業法関係(報酬額)|総務省|不動産取得税


目指すべき利回りの基準と計算方法
不動産投資の収益性を測る指標として「利回り」があります。
しかし、利回りには2種類あり、その違いを理解していないと判断を誤るため注意が必要です。
年間家賃収入 ÷ 物件購入価格 × 100
物件広告などでよく目にする、最もシンプルな利回りです。
ただし、固定資産税や管理費などの「運営経費」が考慮されていないため、この数字だけを鵜呑みにするのは非常に危険です。
(年間家賃収入 – 年間諸経費) ÷ (物件購入価格 + 購入時諸経費) × 100
空室損失や運営経費を差し引いた、より「手取り」に近い実態を反映した利回り。
投資判断は、必ずこの実質利回りをベースに行うべきです。
空き家投資で目指すべき実質利回りは、エリアや物件の築年数にもよりますが、最低でも「7%以上」、できれば「10%超」が一つの基準となるでしょう。
空き家投資のメリット5選
リスクや注意点もある一方で、空き家投資には他の不動産投資にはない独自の魅力があります。
2026年現在、なぜ多くの投資家が空き家投資に注目しているのか、その5つのメリットを解説します。



「安く買って高く貸す」が投資の基本。
空き家投資は、その原則を実現しやすいポテンシャルを秘めています。
1. 少額の自己資金から始められる
最大のメリットは、その「始めやすさ」。
都心部のマンション投資が数千万円の資金を要するのに対し、空き家投資は地方を中心に「数百万円」で購入できる物件が数多く存在します。
空き家投資は、不動産投資へのエントリーハードルが低く、会社員や主婦の方が「副業」として始めるケースも少なくありません。


限られた自己資金で不動産オーナーを目指せる点は、大きな魅力です。
2. 高い利回りを期待できる可能性がある
物件の「取得価格」を安く抑えられるため、投資額に対する家賃収入の割合、つまり「利回り」が高くなる傾向にあります。
前述のシミュレーションのように、実質利回りで10%を超えるような「お宝物件」も眠っています。
もちろん、そのためには適切なリフォームと賃貸需要の見極めが不可欠。
しかし、少ない投資で効率的に収益を上げられる可能性を秘めているのです。
3. DIYなど自由度の高い運用が可能
マンション投資の場合、管理規約によってリフォーム内容に厳しい制限が課されることがほとんど。
その点、戸建てである空き家は、構造上の問題さえクリアすれば、比較的「自由なリフォーム」が可能です。
購入者自身がDIYでコストを抑えながら内装を手がけたり、大胆な間取り変更で物件の魅力を高めたりと、自分のアイデアを反映させやすいのも楽しみの一つ。
創造性を発揮しながら資産形成ができます。
4. 戸建て賃貸は需要が安定している
「少子高齢化で賃貸需要は減るのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、ファミリー層を中心に「集合住宅の騒音を気にせず暮らしたい」「子どもを庭で遊ばせたい」といった理由から、戸建て賃貸へのニーズは根強く存在します。
供給数が少ないエリアでは、一度入居者が決まると長期間にわたって住み続けてくれる傾向があり、安定したインカムゲインにつながりやすいのも特徴です。
5. 社会貢献につながる
放置された空き家は、景観の悪化や倒壊の危険、不法投棄や放火といった「防犯上のリスク」を生み出し、地域社会の課題となっています。
空き家を再生し、新たな住まい手を見つけることは、単なる投資活動にとどまりません。
地域の「景観維持」や「コミュニティの活性化」に貢献するという、社会的な意義も持ち合わせているのです。
知らないと大損する空き家投資のデメリット4選
魅力的なメリットがある一方で、空き家投資には特有のデメリットが存在します。
しかし、リスクは「正しく認識」し「事前に対策」を講じることで、その影響を最小限に抑えることが可能です。
ここでは、代表的な4つのデメリットと具体的な対策をセットで解説します。



リスクを制する者が投資を制します。
デメリットから目を背けず、一つ一つ対策を講じることが成功への道です。
1. 想定外の修繕費が発生しやすい【対策あり】
空き家投資における最大のリスクが「想定外の修繕費」です。


特に、雨漏り、シロアリ被害、給排水管の老朽化などは、購入後に発覚すると数百万円単位の追加費用がかかることもあります。
購入前に、建築士などの専門家が建物の状態を診断する「ホームインスペクション(建物状況調査)」を必ず実施しましょう。
費用は5万〜10万円程度かかりますが、後々の高額な修繕費リスクを考えれば必要不可欠な投資。
また、リフォーム会社を選ぶ際は、必ず「複数社から相見積もり」を取り、費用と提案内容を比較検討することが重要です。
2. 賃貸需要のない物件を選ぶリスク【対策あり】
いくら安く物件を手に入れても、借り手が見つからなければ一円の収益にもなりません。
価格の安さだけで飛びつき、賃貸需要がまったくないエリアの物件を買ってしまうのが「典型的な失敗パターン」です。
物件を検討する際は、必ず自らの足と目で「現地調査」を行ってください。
具体的には、
- 自治体のウェブサイトで「人口動態(特に若年層・ファミリー層の増減)」を確認
- Googleマップで最寄り駅やスーパー、学校からの「距離と利便性」を把握
- 大手の賃貸情報サイトで「近隣の家賃相場と空室状況」をリサーチする
といった客観的なデータに基づいたエリア分析が失敗を防ぎます。
3. 金融機関の融資が降りにくい【対策あり】
築年数が古い木造戸建ては、金融機関からの「担保評価」が低く、ローンを組むのが難しいという現実があります。
新築マンションのようにフルローンを組むのは困難で、ある程度の「自己資金」が求められます。
メガバンクや地方銀行が難しい場合でも、「日本政策金融公庫」や地域の「信用金庫・信用組合」は、小規模な事業に対して比較的柔軟に融資を検討してくれる可能性があります。
相談に行く際は、物件資料だけでなく、リフォーム費用や想定家賃を含めた精緻な「事業計画書」を準備し、この投資が十分に収益性のあるものであることを論理的に説明することが不可欠です。
自己資金の比率を高めることも、もちろん有効な手段となります。


4. 再建築不可物件など法的な制約
安価な空き家の中には、建築基準法で定められた「接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接していること)」を満たしていない「再建築不可物件」が紛れていることがあります。
これは、一度建物を壊してしまうと二度と新しい建物を建てられない土地であり、資産価値が著しく低い物件です。
リフォームは可能ですが、将来的な売却が非常に困難になるリスクを抱えています。
少しでも不安を感じたら、購入前に必ず物件が所在する「市役所や区役所の建築指導課」などの窓口を訪ねましょう。
そこで「建築計画概要書」などの資料を閲覧し、道路の状況について職員に直接ヒアリングすることが最も確実な確認方法です。
参照元:e-Gov法令検索|建築基準法 第43条(接道義務)
失敗しない空き家投資の始め方
リスクと対策を理解した上で、いよいよ具体的な「始め方」を見ていきましょう。
情報収集から物件管理まで、失敗を避けるための5つのステップを順に解説します。



手順通りに進めることが、焦りや見落としを防ぎます。
特に物件調査と資金計画は、時間をかけて丁寧に行いましょう。
物件を探す(情報収集のコツ)
最初のステップは、投資対象となる物件探しです。
主な情報源は3つあります。
一つ目は「不動産ポータルサイト」。
情報が新しく検索しやすいですが、競争も激しいのが特徴。
二つ目は、各自治体が運営する「空き家バンク」。
掘り出し物が見つかる可能性がありますが、情報の更新が遅れていたり、交渉が煩雑だったりするケースも。
三つ目は「地域の不動産会社」。
ウェブサイトに載っていない「未公開物件」の情報を持っていることも多く、信頼できる担当者との関係構築が成功の鍵を握ります。
物件調査
気になる物件が見つかったら、必ず「現地調査」を行います。
専門家によるホームインスペクションとは別に、自分の目で確認すべきポイントは多岐にわたります。
以下のチェックリストを参考に、見落としがないか確認しましょう。
- 建物の外部は外壁のひび割れ、屋根の傷み、雨漏りの跡(軒天のシミ)、建物の傾き
- 建物の内部は床の傾きや沈み、雨漏りの跡(天井や壁のシミ)、シロアリの痕跡(木部の腐食や蟻道)、給排水管のサビや水漏れ
- 周辺環境は日当たりや風通し、近隣の騒音や匂い、境界杭の有無、周辺の空き家の状況
雨漏りとシロアリ、建物の傾きは修繕に高額な費用がかかるため、入念なチェックが必要です。
資金計画と融資相談
現地調査の結果と、リフォーム会社からの見積もりを踏まえ、より精度の高い「事業計画(収支計画)」を作成します。
物件価格、諸経費、リフォーム費用といった「初期投資」と、家賃収入、運営経費、ローン返済額といった「ランニングコスト」をすべて洗い出してください。
この詳細な事業計画書を持って、金融機関へ融資の相談を行います。
2026年の金融情勢も踏まえ、複数の金融機関にアプローチするのが基本です。
購入・リフォーム
融資の目処が立ち、条件交渉がまとまったら、いよいよ「売買契約」を締結します。
契約時には、建物の欠陥が見つかった際の責任の所在を定める「契約不適合責任」の条項を必ず確認してください。
特に古い物件では、この責任を「免責」とする特約が付くことが多いため注意が必要です。
物件の引き渡しが完了したら、計画に沿ってリフォーム工事を開始します。
工事期間中は定期的に現場を訪れ、進捗状況を確認することも大切です。
客付け(入居者募集)と管理
リフォームが完了したら、入居者募集(客付け)を開始します。
地域の賃貸事情に詳しい複数の「賃貸仲介会社」に募集を依頼するのが効率的。
魅力的な室内写真を準備し、適切な家賃設定を行うことが早期の客付けにつながります。
入居者が決まった後の管理業務は、「自主管理」と「管理会社への委託」の2つの選択肢があります。
手間を省きトラブルを避けたいのであれば、家賃の5%程度の費用でプロの管理会社に委託するのがおすすめです。
まずは専門家に相談し、現実的な投資計画を立てよう
ここまで空き家投資の始め方からリスク対策までを解説してきましたが、机上の知識だけで成功できるほど、不動産投資は甘い世界ではありません。
特に初心者の場合、物件の良し悪しやリフォーム費用の相場、賃貸需要の正確な見極めは非常に困難です。
自己判断で突き進んだ結果、収益の出ない「負動産」を抱えてしまうケースも後を絶ちません。
失敗のリスクを最小限に抑え、成功の確率を最大限に高めるためには、信頼できる不動産の専門家に相談することが不可欠です。
経験豊富なプロのアドバイスを受けながら、あなたの状況に合った現実的な投資計画を立てることが、空き家投資を成功に導く最も確実な一歩となるでしょう。



「誰に相談するか」が投資の成否を分けます。
あなたの目標に寄り添い、リスクも正直に伝えてくれるパートナーを見つけてください。


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